Version conflicts issue and solution
概要
v1.3.2 以前のリリースバージョンにおいて kintone UI Component(KUC)にはバージョンコンフリクトの問題がありました。
この記事ではその問題点と解決策、またどのように KUC のパッケージを v1.4.0 以降の最新版にアップグレードして解決策を適用するのかを解説します。
バージョンコンフリクト問題
アプリに対して複数の同一バージョンもしくは別バージョンの KUC パッケージを読み込んだ際に、エラーが出力されコンポーネントが正しく表示されないという問題です。この事象は、UMD と ESM どちらの利用方法でも発生していました。
KUC では Web Components を利用しており、custom HTML タグを定義することでコンポーネントを生成しています。その際に使っている CustomElementRegistry がグローバルな window オブジェクトであり、Web Components では既に登録されている custom HTML タグ を再定義することができません。
KUC パッケージが custom HTML タグ を登録する際、後から読み込まれたパッケージも同じタグを定義しようとするので、正常に動作しなくなるという問題が起きていました。
解決策
既に登録されている custom HTML タグを再定義することはできないので、v1.4.0 からは custom HTML タグにバージョン番号を含める対応を入れました。この変更は、CSS スタイルのコンフリクトを解消するためにクラス名にも適用しています。
加えて、custom HTML タグを定義する前に既に同じものが登録されているかどうかも判定するようにしました。
最新バージョンへのアップデート
各プロジェクト用の KUC を最新バージョンにアップデートして利用することを推奨しています。
UMD を利用する
v1.4.0 以降のバージョンを利用する場合は、コンポーネントを呼び出す際に Kuc オブジェクトの代わりに Kucs["1.x.x"] を使ってバージョンを指定してください。(ex. new Kucs["1.4.0"].Button()
)
また、レンダリングされたコンポーネントのタグとクラス名にはバージョン番号が含まれます。詳しくは解決策セクションをご確認ください。
グローバルオブジェクトとして Kuc を使うこともできますが、2つ以上の kuc.min.js を kintone カスタマイズやプラグインに読み込む場合はバージョンコンフリクトが起きる可能性があるのでご注意ください。この際、Kuc オブジェクトは最後に読み込まれた kuc.min.js を参照します。
システム上に kuc.min.js が 1つしかない、もしくは最後に読み込まれた kuc.min.js の利用で問題ない場合は、Kuc オブジェクトを利用いただいて問題ありません。const Kuc = Kucs['1.x.x'];
の行を削除してください。
v1.3.2 以前のバージョンを利用する場合は、Kuc をグローバルオブジェクトとして使ってください。2つ以上の kuc.min.js を kintone カスタマイズやプラグインに追加すると、バージョンコンフリクト問題が起きるのでご注意ください。
const Kuc = Kucs['1.x.x'];
const button = new Kuc.Button({text: 'Button', type: 'submit'});
document.body.appendChild(button);
CDN を利用する
UMD を利用するセクションの説明とサンプルコードをご確認ください。CDN の挙動は kuc.min.js を利用する場合と同じです。
npm パッケージを利用する
npm パッケージを利用する場合は利用方法に変更はありませんが、レンダリングされたコンポーネントのタグとクラス名にはバージョン番号が含まれます。詳しくは解決策セクションをご確認ください。